第2回 新しい子どもたちがやってきた~天野先生のひとりごと~

4月16日 入園式。
3歳児57名、4歳児7名の新しい子どもたちが風の谷の仲間に加わりました。

今年は8日が始業式で入園式まで1週間の期間があったため、年長の風組たちは、新しく加わる仲間たちに思いを馳せて準備を進めてきていました。

花組前の斜面は子どもたちが虫を捕まえに出かける場所です。そこに小石や枯れ枝が落ちていると転んだ時に怪我をするのではないかと拾って歩いたり、砂場では砂が固いと遊び難いからと、砂を掘り起こしたり。サクランボの木の下では、ハコベを摘んでいる姿も。
「それ何にするの?」と声をかけると「ウサギの餌にする」との返事。
「あのね、うさぎは、たんぽぽの葉だとかハルジオンだとかオオバコなんかが好きなんだよ。ハコベは小鳥が良く食べるんだよね」と話しながら竹林に足をむけると野アザミやナズナが目にとまりました。
「これも良く食べるよ」というと野アザミの葉っぱを摘みだしましたが「あのさ、この葉っぱ棘があるよ」と心配顔。
「ウサギは棘があっても食べるから大丈夫」と応えたのですがスッキリしない表情で、他の草を摘みだしました。
バケツがいっぱいになると、ウサギ小屋には向かわずに教室に足が向いています。
「ウサギにやらないの?」と尋ねると「花組が来るから、ウサギの餌をとっておいてやったの」との返事。そこでやっと納得でした。野アザミの棘を気にしていたのは花組の子どもたちの指を慮ってのことだったのです。

5歳の子どもたちが、新しく入園してくる3歳の子どもたちに身を寄せて、あれこれ気を配って動いている姿を見るにつけ、子どもたちの細やかに人を思う心の動きを、大きくなっても持ち続けて欲しいなと思いました。
人への優しさや心遣いは、自分がしてもらってはじめてその芽が心に育つのだと思っています。だから、子どもたちには沢山の温かな関わりを経験させたいと思うのです。
今年の入園式も、お母さん達が花を持ち寄り、花いっぱいの中での入園式になりました。
菜の花、花だいこん、やまぶき、芝桜、八重桜、チューリップ、水仙とまさに花の咲きほこる中へ子どもたちは足を踏み入れたのです。

新しく入園して来る子のためにと、野に咲く花を集め園舎を飾るお母さん達の姿を見ていた鳥組の子の「うちのお母さん頑張っているんだよ」と誇らしげに話しかけてきた顔が印象的でした。
新しく入る子どもたちを心から待ちわびた親と子。この時期ならではの温かさでした。

見学会予約・問い合わせ先
風の谷幼稚園
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