園内が色とりどりの花々や装飾で飾られ、花組(年少児)と鳥組(年中児)の子どもたちもこの日のために飾る花を摘み、風組(年長児)を迎える準備が整っていました。
暖かい陽気に恵まれたこの日、風組の子どもたちが卒園式を迎えます。
教室では先生が一人一人に言葉をかけながら、手作りのコサージュを子どもたちの胸につけてくれました。
ピアノの音色と共に式が始まり、皆が待つ会場へ風組が入場していきます。
花組の頃の幼さはなくなり、背筋を伸ばしまっすぐ前を見て歩く姿は、さすが風組です。
名前を呼ばれると力強く大きな声で返事をし、天野先生から卒園証書を受け取りました。
その後、風組として歌う最後の歌を皆に聴かせてくれました。
そして先生たちから子どもたちへ最後のメッセージとして歌の贈り物がありました。
それを聴いて涙ぐむ子どもたちの姿もありました。
今年卒園を迎える子どもたちは、新型コロナウイルスが発生し始めた頃の入園となり、入園式を行うことが出来ませんでした。その様な大変な状況下でも、先生たちが試行錯誤しながら活動を行い、笑顔を絶やすことなく過ごしてきた3年間。
「人には誠実に物事には勇敢に、そして志を持って人の役に立つ人として生きて行って欲しい」
先生から贈られた言葉をしっかりと受け取り、新しい世界へと飛び立っていきました。
翌日、風組のいない園内はとても静かでした。
誰もいない暗くなった風組の教室に向かった鳥組と花組。
風組との思い出を振り返リながら教室などを見渡していました。
寂しさをぐっとこらえ、次は自分たちが風組、鳥組になるんだと、これまで風組にしてもらったことを繋いでいく強い意志が生まれ始めた子どもたちでした。