卒園式を間近に控えた3月の中旬。
春の強い風が吹きぬける中庭で、風組(年長児)の卒園を祝う会が行われました。
前日に、花組(年少児)と鳥組(年中児)は会場を飾るための輪飾りをつくり、贈る歌の練習をしました。この日、風組には内緒で朝から中庭を飾り付けます。
飾り終わったあと中庭で待っていると、いよいよ会が始まり、風組が入場してきました。
風組は、自分たちの卒園を祝う会が今から行われることを知りません。
中庭の雰囲気を見て「もう卒園式やるの?」と驚いている子もいました。
この日の風組は、花組と鳥組に太鼓を披露するため、普段とは違う法被姿。
姿勢よくすばやく整列する風組を、じっと見つめる花組と鳥組の子どもたちです。
花組と鳥組からの歌のプレゼントは、『風の子のうた』『世界中の子どもたちが』『靴が鳴る』です。
風組に「安心して卒園してね」という気持ちを込め、立派に歌う花組と鳥組の子どもたち。
先生たちからは『赤ずきん』の劇のプレゼントがありました。
みんな最後まで静かに、食い入るように見ていました。
劇が終わると、口々に「面白かった!」と嬉しそうな子どもたち。
その後、風組が太鼓の演奏を披露します。
天野先生が下打ちするリズムに合わせ、仲間と息を合わせて、
「どーんどーんど、どん」という力強い風組の声と太鼓の音が、幼稚園全体に響き渡りました。
会が終わったあとはたてわり班で集まり、花組と鳥組に食べさせてあげようと風組が前日に作ったカレーを食べました。
机を拭き、先生がよそったカレーを配り、スプーンを並べるなど準備をする風組。
「いただきます。」をすると、みんな勢いよく食べ始めます。
「風組、カレーありがとう。」と嬉しそうに伝え、何杯もおかわりをする子どもたちでした。
たてわり活動はこの日で最後。
風組は、前の風組からもらった優しさを思い出しながら花組と鳥組に関わり、年長児としての自覚を持ちました。
花組と鳥組は、この嬉しかった思い出を胸に刻み、今度は自分が鳥組、風組になったときに、次に伝えていくことでしょう。
もうすぐ卒園です。