じゃがいも掘り

尾根道の途中で待っていると、先生が子どもたちを励ます声が少しずつ近づいてきて、まず鳥組(年中児)の姿が見えてきました。少し疲れた表情を見せつつも、真剣なまなざしで前を向き、しっかりと歩き続けます。「もう少しで幼稚園だからね。」「頑張ろうね。」と仲間同士で励まし合う姿がありました。

その後から、風組(年長児)と花組(年少児)が見えてきました。いつも元気いっぱいの風組も口数が少なく、一度お尻をつくと後ろに転がってしまうほどリュックはパンパンです。じゃがいもの重さに顔を歪めながらも、弱音を吐くことなく立ち上がり、花組の手をしっかり握って歩き続ける姿には、たくましさと優しさが見えました。
そんな風組の姿を見てか、じゃがいも掘りが初めての花組も泣く子はほとんどいません。さまざまに膨らんだリュックを背負って立派に歩いていました。
花組を思い、踏ん張る風組の優しさは、繋いだ手を通じて花組の子どもたちにも伝わったことでしょう。

先生たちは絶え間なく励ましの言葉をかけ続けます。「頑張って。」とは言いません。「よくここまで歩いてきたね。」「もう少しで幼稚園が見えてくるからね。」と一人一人の顔を見ます。先生の声を聞くと子どもたちの目に力が入ります。

幼稚園に着くと、風組は教室の前に自分のリュックを置き、再び手をつないで花組の教室まで花組の子たちを送り届けました。最後まで花組を気遣えるのは、自分たちも花組の頃にしてもらった経験があるからこそです。

それぞれの教室でリュックの重さを量った後、お母さんたちが蒸かしてくれたじゃがいもを食べました。大きなじゃがいもをぺろりと食べ終え、その後も走り回って遊び、まだまだ元気があり余っている様子でした。

じゃがいも掘りを通じて”人のために自分を律する”という経験をすることで、真の強さややり通す力が育まれる子どもたちでした。

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