本格的に暑くなってきた6月、自分の手で作り上げた舟で水遊びができるようにと、各学年とも舟づくりに取り組みました。
花組(年少児)は、初めてかなづちと釘を使います。
かなづちの力の入れ方を知るために、まずは缶に釘で穴を開けて作る缶シャワーに取り組みました。
かなづちの柄の上の方を持つと力が入りやすいことや、かなづちと釘は危ないから人に向けないことなど、釘打ちを一から学びます。
先生は「”がんがん”って打つといいんだよ。」と力の入れ方がイメージしやすい声かけをし、子どもたちも「がんがん!」と声に出しながら釘を打ちました。
初めて使うかなづちと釘でしたが、集中して釘を打つ子どもたちでした。
次の日は舟を作りました。
舟型の木片の上に運転席の小さな木片を乗せ、その四隅を釘打ちしてとめていきます。
そして、まずはやすりがけです。
木片の断面をほっぺたに当てて確かめながら、つるつるになるまでやすりをかけます。
表面が滑らかになったら、次は釘打ちです。
缶シャワーを作ったときよりも短い釘は、打つのに一苦労です。うまく入っていかなかったり、曲がってしまったりします。
はじめは「釘がななめになっちゃった。」と困っていた子も抜いてやり直せることがわかると、ほっとした様子で再び釘を打ちました。
舟が完成すると、プールに張った水に舟を浮かべて遊んだのでした。
2学期になり、鳥組(年中児)が箱電車を作って遊んでいる姿を見て、
「僕たちも作りたい!」と気持ちが高まっていた花組も、車を作ることになりました。
舟作りのときのような四角い木片に加えて、タイヤとなる丸い木片もあります。
まずは木片の切り口にやすりがけをします。
やすりがけが早く終わった子が、まだ終わっていない仲間のやすりがけを手伝う姿が見られました。
子どもたちが使ったあと戻した紙やすりをていねいにたたみ直す先生を見て、手伝う子もいました。
自分のことだけでなく、周りの仲間や先生の様子を見て、助けようと動けるようになってきた花組です。
次の日、釘打ちをしました。
先生が一通りの作り方を説明するのを、子どもたちは最後まで集中して聞けるようになりました。
釘打ちの作業中、板が割れてしまった子は、新しい板と交換します。
釘が曲がってしまった子は、先生に抜いてもらってから、打ち直します。
多少曲がったとしても自分で直せそうだと思った子は、釘がまっすぐになるように釘の横から軽くたたいて修正していました。
木工作では、「やり直しができるんだ」ということを体感し、何事においても「うまくいかなかったらやり直せばいい」と、次の道を考えられる思考を育てることを最も大切な目的としています。このことを年少児のうちから何度も経験することで、失敗を恐れずに挑戦する子に育っていきます。
1学期の舟作りよりも工程の多い車作りでしたが、子どもたちは最後まで自分の力でやりとげていました。
完成した後は、中庭や空き教室に道を作って、自分で作り上げた車を楽しそうに走らせていました。
子どもたちは「自分の手は遊び道具を作れる手なんだ!」と自信をつけたことでしょう。