第11回 職員会議の決定は「即入院せよ!」~天野先生のひとりごと~

 2013年3月に変性すべり症の手術を受けてから1年9カ月。痛みが多少軽減したものの痛みから解放されたことはない。「きっと時間が経てば痛みはなくなる」と明日に期待して今日まで来た。
 「効く!」と聞けば気功も鍼灸もやってみた。施術を受けた直後は、改善されるものの半日も経つと再び元に戻ってしまう。それでも、時間をかければ治るはずと自分に言い聞かせ、毎日を過ごしていた。

 手術直後から、足の付け根と臀部の痛みが続いており、最近はその痛みが大きく鋭くなっていることもあって、整形外科で股関節のレントゲンを撮ることになった。そこで見たものは、股関節の骨が潰れているという事実だった。
 医師は、「骨の再生はないだけに、これ以上悪くならないうちに人工関節にしたらどうか」と提案してくれたが、その時は園運営のことをあれこれ考え「8月の夏休みを待って手術をすることにします。」と応えた。

 職場のみんなには11月17日の職員会議で診断結果を伝えた。すると、清水、小池先生が12月と1月の予定表を見ながら、なにやらもの言いたげに顔をあげた。そして、「終業式が終わってすぐに入院すれば、入院に必要な日数は確保できます。3学期の始業式の園長挨拶はなくていいことにして、次の日の身体計測も他の人と変わる事が出来る。そう考えれば12月22日から1月12日まで休みがとれます。1月6日の同窓の“冬のあそび会”と“近隣の挨拶回り”は残った教師だけですることにすれば、22日間連続で休養できます。その後、1月の教育活動は、たて割り活動が主な活動になるので天野先生にかかる負担は少なくて済みます。ですから、早めに手術を受けて下さい。」という。そして皆も大きくうなずいた。

 職員たちの強い希望で、年内の手術に踏み切らざるを得なくなった。まさに“覚悟”を強要された感じであった。心に迷いがなかった訳ではないが、すぐに担当医師と話をして12月24日入院、25日手術と決めた。
 手術が決まると、体中の検査やら、輸血用の血液採取がある。輸血用の血液は3回に分けて一度に400ccぬくとのこと。聞いただけで体中が「嫌だ、嫌だ」と怖がり始めた。
計量カップに水を汲んで、400cc×3=1200ccを確かめたのも良くなかった。胸の動悸が激しくなった。
 両足の股関節の手術は怖くはない。なぜなら全身麻酔で意識が無い中での切ったり削ったりだから。
私の神経がピリピリ拒否しているのは、体に針をさすことなのだ。子どもが注射しているのも見ていられず、貧血を起こす程の注射器嫌いだ。小さい時のトラウマなのだ。
 と言うことはありながら、とにかく2014年の年末と2015年の年始は病院の中で過ごす事になった。

 入院期間は3週間と言う。2~3日は辛いだろうがそれ以降は時間がたっぷりある訳だから、有意義に使おうと、急に頭の動きが活性化した。
 鳥組のあやとりひもを60本編んでやろう、それと何十年かぶりになるが絵も描こう、年賀状の返事もゆっくり書こう、縄跳びの指導方法、劇づくりの指導方法もまとめられそうだと、次から次へやりたいことが浮かんでくる。
 年末年始の病院は、静かで退屈だろうから、元気な入院患者向けのイベントを企画しても面白いのではないか、なんてことも思い浮かんでくる。
 何だか長期旅行に行く気分になって、シルクのパジャマも新調した。
そして、痛みがとれて退院出来たら、こんな嬉しいことはないわけで、あれもこれもやりたい。やりたいことが山盛りだ。
 前回の手術後は「無理をしないでください」と申し渡されていたものの、「無理」の度合いが分からなかったため「これ以上は動けない、だからこれ以上を無理と言う」と言う判断をしていた。じつはこれは“無謀な無理”に繋がっていた。
身にしみてわかった。だから今度は「無理」はしないで行動しようと、入院前の私は殊勝にも思っている。

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