川崎市麻生区にある風の谷幼稚園は、豊かな自然に囲まれ園の周辺は竹林や畑、谷戸があり今も里山の風景が色濃く残っています。
開園当初からほとんど姿形の変わらない園舎。そこは、子どもたちが自然と園に馴染むよう、工夫されています。
園舎は小高い場所に建っているため風通しがよく、太陽の光が存分に差込みます。
また中庭は天井が高く、開放感のある造りになっています。
階段の段差は15cm。子どもたちが自然と、上り下りできる高さになっています。
もともと傾斜地に園舎を建てたため、階段の区切りによって学年が分かれています。一番奥の教室から花組(年少児)、階段を上るにつれ鳥組(年中児)、風組(年長児)の教室になっています。
3歳児の子どもは、下から上を見あげることで、大きくなることに憧れを抱きます。そのため、あえて一番奥を花組にしています。
靴を脱ぎ履きする場所の段差は25cm。子供が足を投げ出さずに座れる高さになっています。
トイレは教室のすぐ横に2箇所設置されています。
日当たりと風通しの良い場所にあり、いつも明るく匂いがこもらないようなっています。
和式があるのは、どのような様式でも困らないようにという考えからです。
砂場と水栓柱の距離は、少し離してます。使う量をバケツにため、運ぶことで水を大切にする意識が芽生えるからです。
また砂場は「構成力」と「想像力」を育ててくれます。園の砂は水を含ませると粘土のように固まる、細かい粒子の山砂を使っています。
教室は全クラス南側にあるため、日中は日が差します。
扉は北側と南側、2箇所あるため風が吹き抜け、室内はいつも換気されています。
床は全て木のフローリングで、床暖房を設置してあります。
花組は丸テーブルを使います。人間関係が希薄である今、等間隔に座れて誰の顔も見える、それだけで関係が深まります。
鳥・風組になると、机上での作業が増えるため四角いテーブルを使います。自分の道具を置くスペースを確保しやすいからです。
サイズは50cm×100cmの特注です。縦横1:2の割合のため、机を3脚、4脚と合わせても、出っ張ることなく四角になります。
椅子は、体に合わせたカーブが座面についているため、体にフィットし長く座っていられるものを使用しています。
これらのこだわりと工夫で、子どもが生活しやすい、遊びやすい環境を作っています。