「子どもたちが空を見上げたときに、一面に広がる広い空が見えるのがいいでしょ。風の谷の良いところは空を遮る電線がないことなの!」と天野先生は言います。
園を建設する際に電線を地下に埋めたことで、園舎の周辺では電線を目にすることがあまりありません。子どもたちの記憶に残る空が、遮るもののない青く広い空であって欲しい、という願いからの埋設工事でした。
風の谷幼稚園は子どもたちの為に豊かな自然を残したい、いつでも帰ってこられる緑の森を守り続けたいという思いから、多くの方のご協力のもと、「緑の基金」として寄付やバザーの売上げを周辺の土地の購入や守備の為に積み立ててきています。
そしてこの度新たに「風の丘」と名付けた土地を購入することが出来ました。
「風の丘」は里山を畑として利用していた場所ですが、以前そこがへリポートになるという話もあり、天野先生は子どもたちに危険が及ばないか、騒音で活動が思うように出来なくなるのではないかと心配したこともありました。
手つかずの草が生い茂った土地は、先生たちや森林組合工務店のお父さんたちの力によって草が刈られ、柵を作り、植木職人さんに元々植わっていた木を移植してもらったりし、整ってきています。
まだ足下に固い篠竹や大きな穴もあり、子どもたちが活動できるのはもう少し先です。
「風の丘」はとても見晴らしがよく、天気がよく空気が澄んだ日は横浜方面まで見えます。
そして上を見上げれば、電線や視界を邪魔するものは一切無く、一面に空が広がっています。
いつか夜に皆で星の観察が出来たらと、思いは膨らんでいきます。
春が近づき、風の丘では梅が、隣の桃畑では桃の花が咲き誇り、一面が桃色になりました。
「風の丘」で子どもたちが駆け回る日は近いようです。