風の谷幼稚園には、園舎から歩いてすぐの場所に子どもたちの畑があります。
畑仕事は、鳥組(年中児)と風組(年長児)が行う活動です。
4月。畑には、この日から畑仕事が始まる鳥組の姿がありました。1学期に鳥組が育てる野菜は、赤かぶと小松菜の2種類です。いきなり種をまくのではなく、まずは畝作りから行います。種をまいた後は、雑草抜きや水やりも欠かしません。
中でも雑草抜きはとても根気のいる作業で、最初の頃は、集中力が切れて虫捕りをしてしまう子どもや、お喋りに夢中になってしまう子どもの姿がありました。それが4月、5月、6月と作業を続ける内に、自ら率先して雑草を抜くようになるという変化がみられました。
先生はよく、
「今夜は雨が降るから、野菜が育つだろうね。」
「最近雨が降っていなくて土がカラカラだから、水をたっぷりあげよう。」
と、天気の話しをします。雨が降ると、砂場で遊ぶことも斜面を駆け回ることもできず、「雨は嫌だなぁ。」と思っていた子どもたち。畑仕事を通し、雨に対する感じ方が変わり、天気にも関心を持つようになっていきました。
6月になり、収穫の日を迎えます。赤かぶと小松菜は合わせてコンテナ5個分の量の収穫となり、仲間と顔を見合わせながら「いっぱいだねー!」と笑顔を見せていました。
自分たちが一生懸命育てた野菜を自宅に持ち帰り、それが美味しい料理となり食卓に並ぶことや、間引いた葉で先生が作ってくれた味噌汁を仲間と美味しく食べたりすることを経験し、「働くことは大変。だけど、いいことだ。」と前向きな気持ちが生まれたことでしょう。
そして2学期。1学期に育てた赤かぶと小松菜の収穫を経て、今度は青首大根と聖護院大根を育てます。夏休みの間、幼稚園の畑としばらく離れていた子どもたちですが、作業に取り組む姿勢や意欲はむしろ向上しており、「もっと雑草抜きたいー!」と声が上がるほどでした。
「凄いでしょ!」
「働かざる者~、食うべからず~!」と、鳥組の声が畑に響きます。
12月の収穫に向け、この日も立派に働きます。