毎年恒例のじゃがいも掘り。前日から雨が降り続いていましたが、子どもたちが登園する頃には雨は上がりました。先生の「雨が止んだからじゃがいも掘りに行くよー!」の声に、子どもたちは「やったー!」と喜びます。
畑に到着し、早速掘り始める子どもたち。茎を抜き、土の中に手を入れると次から次へとじゃがいもが出てきます。
「好きなだけ掘っていいけど、掘ったじゃがいもは全部自分で園まで持ち帰るんだよ。途中で下ろしたじゃがいもは先生のものだからね。」と先生が子どもたちに伝えます。これが、風の谷幼稚園のじゃがいも掘りのルールです。
途中、ポツポツと雨が降ってきました。一旦掘るのをやめ、近くの木の下で雨宿りをすることにしました。“虹”の歌を歌いながら、雨が上がるのを待つ子どもたち。みんなの気持ちが届いたのかいつの間にか雨は小降りになり、再びじゃがいもを掘り始めました。
そしてじゃがいもが入ったリュックを背負い、園に向かって歩き始めます。
最初に畑を出発したのは鳥組(年中児)です。先程の通り雨で尾根道の所々がぬかるんで滑りやすくなっていましたが、仲間と手を繋いで支え合い、慎重にゆっくりと歩き始めます。
鳥組の後ろに、花組(年少児)と風組(年長児)が続きます。花組は初めてのじゃがいも掘り。歩き始めると段々と辛くなり涙する子もいます。そんな時は、風組が手を繋ぎ声をかけ、励ましながら支える姿がありました。風組は重いじゃがいもを持ち帰るだけではなく、責任を持って花組を園まで連れて帰るという意識を持って歩いていました。
「自分で決めて掘ったから、家族の為に持ち帰りたい。」
「でも重い。おろしたいけどおろした分は持ち帰れない。」
という葛藤を経験し、心を強くしていきます。
この3年を通して、今年こそは!との強い意志と、沢山持つことで動けなくなると皆の足も止めてしまうことなども考えられるようになり、自分の持てる分を最初に見極めて調整できるようにもなっていきます。
園に着いた子どもたちはまず濡れた服を着替え、そしてじゃがいもが入ったリュックの重さを1人1人量ります。その後、蒸かしたじゃがいもをみんなで食べました。
責任を持って最後までじゃがいもを持ち帰った子どもたち。そのじゃがいもが食卓に並び、家族が美味しそうに食べる姿は、特別な思い出となることでしょう。