この日は全園児で毎年恒例のじゃがいも掘りにでかけました。
鳥組(年中児)は仲間同士で、風組(年長児)は花組(年少児)と手をつないで
出発です。畑までは尾根道を通りますが、毎日のように野山をかけまわっている子どもたちは、でこぼこ道もへっちゃらです。
じゃがいも掘りへの思いを話しながら歩くうちに、畑に到着しました。
風組にとっては今回で三回目、そして最後のじゃがいも掘りです。
先生から説明を受けるやいなや、すごい勢いで掘り始める子どもたち。
個数を数えながら掘る子、黙々と掘り進める子、仲間と大きさを競う子。
思い思いに掘っては、次々と袋に入れていきます。
じゃがいも掘りが初めての花組の子どもたちは、掘り出した芋を仲間と見せ合いながら、ひとつひとつ袋に入れていきます。
一足先に到着していた鳥組。すでに、袋ははち切れんばかり。
そろそろ、帰る時間です。
たくさん入った袋を持ち上げようにも、重くて一歩進むのもやっとです。
このじゃがいも掘り。実は1つだけ決まりがあります。
それは、「自分で掘った芋は自分で持って帰る」というもの。
もし、途中で持てなくなったら、持てると思う数まで自分で減らしても良いのですが、減らした分は先生のものになってしまいます。
さらに風組には花組を園まで連れて帰るという役目もあります。
掘ったからには、どんなに重かろうが何としても自分で全部持って帰る!という気持ちと、花組を連れて帰るんだ!という責任から、静かに涙を流す風組の姿も。
やっとの思いで園に到着しました。
風組は、リュックを下ろすやいなや花組に寄り添い、教室まで送ります。
子どもたちが持ち帰った掘りたてのじゃがいもは、お母さんたちがすぐに蒸かし芋にしてくれました。
どんなにきつくても歩みを止めず、花組を連れて帰ってきた風組、また、最後まで仲間と励まし合い、無事に園まで戻ってきた鳥組の子どもたち。蒸かしたてのじゃがいもを頬張る頃には、どの子の顔にも清々しい笑顔が戻っているのでした。