第5回 風の谷育ちの子どもたち~天野先生のひとりごと~

暑い、暑い、どこに身体を置いても暑いそんな中、8月に入って、中学2年生になる卒園児が4人手伝いにやってきました。

子どもたちのあそび場として表情の違う「たんぽぽ広場」「えのき広場」あじさい広場」「果樹園」「ブルーベリー畑」に「竹林」「花組前の虫捕り斜面」があります。そしてこのほかに、トマト、キューリ、なす、ピーマン、さつま芋、ニラなどが植わっている畑があります。

夏休みになり子どもたちの姿が見えなくなるとそれを待っていたかのように雑草が勢力を振い出します。その勢いはすさまじく、刈っても、むしっても3~4日経つと一面がうっすらと緑色になるほどです。
教員たちの夏休み期間の肉体労働は、教室の整備や倉庫の整理だけではなくこの「草刈り」が主になります。
暑さの中の、「草刈り」は、恐ろしいほどに体力を消耗させ熱中症予備軍になります。それでも、先生達は自分たちの仕事として、帽子をかぶってタオルを巻いて、氷水の入ったやかんを片手に出かけて行きます。

そんなところへ、幼稚園を卒園して現在中2になる4人の男の子が助っ人として現れ、たんぽぽ広場の草刈り隊に加わってくれたのです。さらに、滋賀県から里帰りの途中によってくれた親子も、草刈り隊に参加。
あどけなさは残るものの、背丈は先生達をはるかに追い越している子もいました。
草刈り機を操作し草集めをする姿は一人前。指揮官役の萩原先生の喜びに満ちた「りっぱになった!」が耳に残っています。

そして、その数日後。今度は3期の卒園児たちが同窓会と称して園に集まりました。幼稚園がまだよちよち歩きの頃の子どもたちです。それが来年成人式を迎えると言うのです。そして、どうせ集まるのだから自分たちに出来る仕事があったら振ってくれと言うのです。
そこで、畑の撤去(草むしりを中心にして、野菜の支柱やネットの片づけ、肥料が入れやすいように畝の準備)を依頼。肉体労働で重労働だったはずですが、着替え持参で「同窓会」に参加した子どもたちだけに、汗が絞れるほどのTシャツでも弱音一つ言いません。

子どもたちが畑で働いている間に、私は昼食の用意。
“ひやむぎ”を茹で、畑から採ってきたナスはシーチキンと炒めて「ツナす」にキューリは味噌和えに、トマトは大きめに切って”ひやむぎ”の上に。子どもたちはそれらを最高のご馳走のように「美味しい、美味しい」と口に運びます。
昼食がすむと、卒園児の大志くんが持って来た幼稚園時代の写真をみながら「ああだったこうだった」とその頃のエピソードを出し合いながら大笑い。
話が一段落すると、ごくごく自然に食器を流しに運ぶ人、洗う人、拭く人、片づける人に分かれて仕事をします。これにはビックリしながら、年長児の時の調理活動の影響かもしれないと思いました。
働くのが大好きな子どもたちは、調理器具を手際よく洗って片づけていたのを思い出しました。

それが済むと、「鬼ごっこ」と「ことろことろ」を始めました。大きな体に紅白帽子をちょこんと被った姿は何とも可笑しい姿ですが、たまらなく愛おしさがこみあげてきました。
二次会には萩原先生が参加しましたが、昼間都合のつかなかった3人が新たに加わったとの事でした。

幼稚園時代に身につけたものは、大きくなっても変わらないということでした。

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