風組(年長児)になると彫刻刀でゴム版を彫ります。
20cm×14.5cmのゴム版に書き写すのは自分の顔です。
何度も自分の顔を鏡で見て、しっかりと特徴を掴んで書いていきます。
描き終えたら、彫刻刀で削ります。
これまで包丁やのこぎりなど様々な種類の『刃物』を使って活動してきた風組。
刃物を扱う際の、緊張感を維持する力、集中力、
彫刻刀はこれまでの活動の総仕上げと言っても過言ではありません。
彫刻刀での削り方は、まず、
自画像を囲むように書かれた、1センチ程度の枠を残すように、顔の外側を削ります。
削る時は中央から上へ削っていきます。
その際、右利きの子どもは、左手を必ずゴム版の下に添えるようにします。
(左利きの子どもは、その逆になります。)
彫刻刀は下から上へと一方方向で動かします。
削る部分がなくなったら、ゴム版を逆さまににし、また同じように左手をゴム版の下の方に添え、下から上に削ります。
このようにゴム版を回しながら、掘り進めていきます。
こうすることで左手を切ってしまうことはありません。また、版をしっかりと押さえることができるため、右手も安定して彫り進めることが可能です。
顔の外側が彫れたら、頭や顔、耳、肩の周りの曲線を彫り、最後は顔の中の細かい部分を彫ります。
全部彫り終えたら、刷る作業です。
まずは削ったゴム版にまんべんなくインクをつけます。
次に、紙をそっと乗せ、バレンを握り、円を描くように紙全体をしっかりと擦ります。
「できたー!」
自画像版画に大満足の様子の子どもたち。
何度も刷って楽しんでいました。
彫刻刀も使えるようになり、使える道具がまたひとつ増えた風組。
自分の手でまたひとつ作れるものが増えたということを実感し、さらなる自信を獲得し、自分の可能性が広がっていくことを感じるでしょう。