11月とは思えないほどの暖かな日差しのこの日、全園児でさつま芋掘りに行きました。
園から畑までの1.5㎞の道のりでは、掘ったお芋でお母さんにどんな料理を作ってもらうか、誰にあげるか、など話をしているうちにあっと言う間に着きました。
はじめに畑に到着したのは風組(年長児)です。
慣れた手つきでどんどんと掘り進めます。
次に到着したのは鳥組(年中児)。
先生から堀り方を教わると、待ってましたと言わんばかりに掘り進めて行きます。
最後に到着したのは花組(年少児)。
花組はさつま芋の畝を目の前に、なかなか芋を掘り出せずにいました。
先生が「蔓の下の土をもっと深く掘ると出てくるよ。」と声をかけると、子どもたちの手が下へ横へと動き始め、さつま芋が沢山出てきました。
風の谷の芋掘りにはルールがあります。
1・自分で好きなだけ掘ることができる。
2・掘ったさつま芋は自分で持ち帰る。途中で下ろした芋は先生のものになってしまう。
風の谷のルールに則って好きなだけ掘った風組。
妹のためにもう少し持って帰ろうかな。
おじいちゃんおばあちゃん、近所のおばさんも喜ぶかな。
色々な人を思い浮かべながらたくさん持って帰ることにしました。
さあ、出発です。
さつま芋の入ったリュックは、背中で芋はごつごつ身体にフィットしません。そのためバランスが取りづらいのです。仲間と手をつなぎ支え合いながら歩きます。
また、自分の体重の半分以上を背負っているので重く、腰を曲げて歩きます。「うぅ・・」そんな声が聞こえても、決して泣く子はいません。
自分で持って帰ると決めた量。『自分の行動に責任を持つ』ということはどういうことなのか、芋ほりを何度か経験した風組は良く知っています。
鳥組は途中の休憩で、先生が面白い替え歌を歌って子どもたちを笑わせ、気持ちを切り替えていました。
花組も仲間と手を繋いで、重さにじっと耐えて歩き進めていました。
園まであと半分というところで、耐えきれずに、涙が出てしまう子がいました。
「お芋おろす?先生もらおうか?」と言うと
「ううん、持って帰る」「お芋は下ろさない」とぐっと我慢して泣き止みました。
お母さんにたくさん持って帰るんだ!そんな気持ちが自分を奮い立たせます。
もう誰も泣きません。
6月のじゃがいも堀りからたった数ヶ月とは思えないほどのしっかりとした足取りで、踏ん張る力がしっかりと身についていました。
花組が園に着くと先に到着していた風組が「おかえり!」「よく頑張ったね!」と出迎えてくれました。
お昼には、掘りたてのさつま芋のお味噌汁が振る舞われます。
さつま芋を背負って自分の力で歩ききった後のお味噌汁のおいしさは格別な味だったことでしょう。
重くて辛くても諦めず持って帰ってきた子どもたち。喜んでくれた家族の笑顔が達成感や自信につながっていきます。
《見学会予約・問い合わせ先》
風の谷幼稚園: 044-986-5515